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引っ越しというと真っ先に思い浮かぶのが、荷物をそれまでの住まいから新居に移す作業ですが、実は引っ越しにはこのほかにも、さまざまな手続きや新旧のご近所への挨拶など、やらなければならないことがたくさんあります。そこで今回は、知っていれば引っ越しがスムーズに進められる、引っ越しに関する常識&マナーをご紹介。皆さんのスムーズな引っ越しの参考にしてみてください。

最低限知っておきたい手続きの常識

引っ越しに伴って必要になるさまざまな手続き。最低限どんな手続きがいつ必要かを把握しておくのはスムーズな引っ越しの常識です。後で慌てることがないように、しっかり確認しておきましょう。ここに挙げた手続きのほかにも、例えばスポーツクラブや通販サービスなどには住所変更届が必要です。自分に必要な手続きをリストアップして、チェックしながら引っ越し準備をするのもオススメです。

 
引っ越し前に必要な手続きは・・・

■転出届
引っ越しをする場合、市区町村役場に「転出届」を提出します。所定の届け出用紙のほか、身分証明書、印鑑が必要になります。実際に引っ越す2週間前から届け出が可能なので、早めに済ませておくとよいでしょう。同じ市区町村内に引っ越す場合はこの手続きは不要です。

■電気、ガス、水道の使用停止および開始の手続き
電力会社、ガス会社、水道局に電話で旧住所での使用停止日と新居での使用開始日を連絡し、立ち会いが必要な場合、その日時を決めます。インターネットのホームページから申し込みができる場合もあるので、それぞれのホームページで事前にチェックを。

■郵便物の転送手続き
向こう1年間、旧住所宛の郵便物を新住所に無料で転送してもらうための手続きです。所定のハガキまたは郵便局の窓口で旧住所と新住所を届け出ます。窓口での手続きには身分証明書が必要です。

■固定電話(NTT)の移転手続き
116に電話して必要事項を伝え、固定電話移設の依頼をします。新居に電話線が引き込まれている場合は、NTTの局内工事のみなので立ち会いは不要ですが、引き込まれていない場合は電話線を外部から引き込む工事への立ち会いが必要になります。

■新聞の購読停止手続き
契約している事業所(営業所)に電話で解約を申し出ます。配達停止希望日を伝え、日時を指定して集金に来てもらいましょう。引っ越し先でも購読を続ける場合は、新居で新たに契約するのが一般的です。

■インターネットプロバイダーの手続き
手続きの方法は各プロバイダーによって異なるので、ホームページで確認を。とくに仕事などでインターネットに接続できないと困る人は、ブランクができないように早めの対応が必要です。


 
引っ越しの後に必要な手続きは・・・

■転入届
新居の市区町村役場に「転入届」を提出します。持参するものは旧住所で「転出届」を提出したときにもらった転出証明書と印鑑。転入後14日以内に手続きを済ませるのがルールです。同じ市区町村内での引っ越しの場合は、「転居届」を提出します。

■運転免許証の住所変更
所轄の警察署に運転免許証と住民票のコピーなど新住所を証明できるものと印鑑を持参して、住所変更を届け出ます。運転免許証は身分証明書にもなるので、早めに手続きしておきましょう。

■銀行、クレジットカードの住所変更
銀行やクレジットカードの住所変更は忙しさに紛れてついつい後回しにされがちですが、引っ越しが済んだらすみやかに変更するのが常識。方法は窓口や郵送などそれぞれ異なるので、電話やインターネットで確認して、漏れがないよう確実に行いましょう。

■携帯電話の住所変更
各携帯電話の営業所もしくはインターネットから変更手続きが可能です。変更が遅れると利用明細や請求書が旧住所に届くといったトラブルにもなりかねないので、早めの変更を心掛けましょう。

■自動車の引っ越し手続き
自動車が引っ越しするには、自動車検査証(車検証)と自動車保管場所証明書(車庫証明)の住所変更が必要です。それぞれ新住所を管轄する陸運局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)と警察署に届け出ます。車検証の申請は引っ越し後15日以内がルール。また、引っ越し先で車を使用する場合、車庫証明は必ず必要になるので、早めに申請しましょう。車庫証明の発行は申請から1週間程度が目安です。

■ペットの登録(鑑札の変更)
旧住所で登録されている場合でも、鑑札を変更する手続きが必要です。新住所の管轄保健所に書類を提出して、新しい鑑札を発行してもらいます。


 知っていますか?“引っ越しそば”

引っ越しの挨拶にそばを贈ったり贈られたりしたことがある人は、現在ではあまりいないかも知れませんが、“引っ越しそば”という言葉は誰でも聞いたことがあるはずです。“引っ越しそば”とは文字どおり、引っ越しの挨拶にそばを贈る習慣のことですが、その起源は江戸時代中期の江戸とされています。

そもそもそばを贈るようになったのは「細く長くお付き合いさせてください」とか「皆さんのおそばに長く居たい」とかいった一種の洒落からとされていますが、当時の江戸の人々にとって、そばが手軽で安上がりだったことが本当の理由の1つであるとする説もあります。習慣が定着した頃には、隣近所には2つずつ、大家や今でいう管理人のような立場の人には5つ持っていく、という決まりまであったそうです。また、“引っ越しそば”は江戸中心に広まったもので、大阪など関西にはその習慣はなかったようです。要するに“引っ越しそば”はお近づきの印にちょっとしたものを贈る習慣と「今度おそばに参りました」という江戸っ子の洒落が結びついて習慣化したものだったのです。

現在では、タオルや洗剤、お菓子などを持って挨拶に伺うのが常識ですが、そこに込められた「細く長くおそばに」という気持ちは“引っ越しそば”と同じといえるかも知れません。


引っ越し作業に関する常識

一口に引っ越し作業といっても、引っ越し会社の手配から荷物の梱包、不用品の始末などやらなければならないことはたくさんあります。そんな忙しい引っ越し作業をスムーズにするために知っておきたい常識&マナーはこちら。

■引っ越し会社の手配
引っ越し会社手配の第一歩は見積もりの依頼。最近は、インターネットで複数の引っ越し会社の見積もりを一括で取れるサービスがあるので、利用すれば何社もの引っ越し会社に電話で連絡する手間が省けます。荷物の量や引っ越しの予定日など必要事項を所定のフォームに記入すると各引っ越し会社から見積もりのメールが届くというシステムです。利用者は料金やサービスなどの見積もり内容を比較して、依頼しようと思う会社に直接連絡を取ります。
単身者の引っ越しの場合はある程度荷物の量も限られるため、メールや電話の確認で十分ですが、ファミリーの引っ越しの場合、各家庭の荷物の量にはかなりの差があり、見積もりフォームだけではカバーしきれない場合も多いもの。当日作業に来たトラックに荷物が積みきれなかったり、見積もり以上の費用を請求されたりといったトラブルを避けるためにも、インターネットで選んだ会社に、正式に依頼する前に一度見積もりに来てもらうと良いでしょう。もし、それができない場合は電話などでできるだけ細かく、荷物の量や内容を伝えるようにしましょう。

■荷造りのポイント
引っ越し会社がすべてを行ってくれる“お任せパック”といったサービスもありますが、引越し費用の節約も考えると、荷造りはできるだけ自分で行いたいもの。段ボールなどは早めに調達し、普段使わないものから順に荷造りしていきましょう。
本などの重たい物は移動を考えて小さめの段ボールに分けるのが常識。食器などの壊れ物は面倒でも緩衝材で梱包するのが破損などのトラブルを防ぐ上で重要です。積み上げた時も確認できるように、段ボールの側面に何が入っているかを書いておけば引っ越し先で荷物を確認するのが楽になります。

■不用品の処分
引っ越しには、たくさんのゴミがつきもの。粗大ゴミなどは市区町村役場に処理方法を確認して、それまで暮らした家のご近所に迷惑をかけないよう、注意して処分するのがマナーです。
リサイクルショップを賢く利用するのも最近の引っ越しの常識。不用になった本やCD、DVDなどは古本屋で買い取ってもらうほか、新居では必要なくなる家電、家具なども効率良くリサイクルに回しましょう。自分では動かせない大きなものは取りに来てもらえることもあるので確認を。

■最後の掃除
引っ越し前の家での作業の仕上げは掃除。これまでお世話になった家をきれいにして退居するのは常識です。できるところは数日前から少しずつ掃除しましょう。クリーニング業者などに依頼して事前に掃除してもらうのも1つの手ですが、やはり最後はこれまでの感謝の気持ちを込めて自分で掃除したいもの。掃除機や雑巾を残しておいて、荷物の運び出しが終わった後、家具などがあってできなかった場所を中心に最後の掃除をしましょう。

■引っ越し作業のスタッフに心づけは必要?
引っ越しの作業をするスタッフへの心づけ(チップ)は気持ちなので、渡しても渡さなくていいものです。渡す場合は作業を始める前に「よろしくお願いします」のひと言を添えて。もちろん渡さないからといって作業に影響することはありませんし、引っ越し会社によっては心づけを受け取らない場合もあります。そういった場合はペットボトルの飲み物やお菓子などを渡すとよいでしょう。


引っ越しの挨拶のマナー

引っ越しの際忘れてはいけないのが、新旧のご近所への挨拶です。これまでお世話になった方にも、これからお付き合いしていく方にも失礼のないマナーで挨拶を済ませ、気持ち良く新生活をスタートしましょう。

■引っ越し前のご近所への挨拶
一戸建てではよくいわれるように“向こう3軒両隣”に、マンションの場合、小規模なら同じフロアの方には挨拶するのが一般的です。騒音などで影響を与えたかもしれない下の部屋の方には、お詫びを兼ねて挨拶に行きましょう。
引っ越し当日は慌ただしくなることが予想されるので、前日までに菓子折りなどを持って訪ね、これまでお世話になった感謝の気持ちを伝えます。その際、「○日は引っ越しでご迷惑をおかけするかもしれません」とひと言伝えておくと良いでしょう。

■新居のご近所への挨拶
引っ越し先でも挨拶の範囲は同じですが、可能であれば実際に引っ越してからではなく「○日に引っ越してくる××です」と、前もって挨拶に伺うのが良いでしょう。もちろん引っ越し作業が済んでからでもかまいませんが、できるだけ早めに伺うのがマナー。お近づきの品はタオルや洗剤、簡単な菓子折りなどが一般的です。家族そろって伺うのが理想ですが、難しい場合は家族構成や生活のサイクルを簡単に話しておくと、今後のお付き合いがしやすくなるかもしれません。

■転居通知
親戚や友人、職場の上司や同僚などに引っ越しを知らせるハガキを出します。文面には新住所、新しい電話番号などのほか、「お近くにお越しの際にはお立ち寄りください」といったひと言を添えるのも忘れずに。


この特集をとおして「引っ越しってやらなければならないことがこんなにあるのか」と驚かれたれた方もいるかも知れません。今回は基本的な手続きの方法や挨拶のマナーなどを中心にご説明しましたが、実際にはこのほかにもそれぞれのご家庭によってやらなければならないことはまだまだあると思います。そんな大変な引っ越しですが、それぞれの場面でのちょっとした常識&マナーを知っていれば、慌てたり周囲に迷惑をかけたりすることなくスムーズに進められるはず。こうしたポイントを押さえて忙しい引っ越しを効率良くこなし、新居での生活を気持ち良くスタートさせてください。


次号(10/17号)の特集は「ぜひ知っておきたい、スマートなご近所付き合いのコツ」です。 お楽しみに!!

 

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