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どこの家庭でも使われている電気とガス。
家庭からエコ、オール電化、ガスで発電・・・
最近いろいろ耳にするけれど、分かっているようで分からないことは案外多い。電気、ガスについてもっとよく知って、私たちにとっていちばん身近なエネルギー利用について考えてみよう。

家庭で使われるエネルギーの変化

近年、急速な地球温暖化の問題などが深刻になるなか、身近なところから始められる環境問題対策として家庭での省エネ、エコロジーが多くの人の関心を集めていますが、日本の家庭で使用されるエネルギーは、どのように変化して来たのでしょうか。下のグラフを見ると、1975年頃には、ガス、電気、灯油がそれぞれが約1/3だったのが、その後さまざまな家電製品の登場や多機能化などによって電気のシェアは増加、2004年度には電気の割合は半分近い46%となり、32%のガスと合わせると、家庭で使われるエネルギーの80%近くを占めています。

このように、家庭におけるエネルギーの大部分を占めるようになった電気とガスについて、それぞれどのような特徴があるのかを知ることで、家計にも環境にもやさしいエネルギー利用をめざしましょう。


ガスって、電気ってどんなエネルギー?

「都市ガス」と「プロパンガス」について知っていますか?
家庭で使用されてるガスが「都市ガス」と「プロパンガス」に大別されることは、皆さんご存じだと思います。「プロパンガス」とは一般家庭で使用される「LPガス(液化石油ガス)」の通称で、主成分がプロパンであることからこう呼ばれています。実は両者は、法的にはガスの種類の違いではなく、その供給方法の違いで区別されています。大規模な製造施設から導管で供給され、ガス事業法の適用を受ける場合を「都市ガス」、その他のシリンダー(容器)による供給や、小規模な導管供給の場合をLPガス法適用の「LPガス(プロパンガス)」とされているのです。

もちろん、都市ガスの主成分は天然ガス(メタンなど)、プロパンガスはプロパンと、両者には成分の違いもあります。プロパンガスには都市ガスの約2倍の高い熱量を持つという特徴があるため、強い火力が必要な中華料理店などでは、プロパンガスを使用し、ガス圧を調整することで高いカロリーを得ています(都市ガスではこうした調整は出来ません)。

またガスは、「都市ガス」、「プロパンガス」ともに24時間の保安体制でガス漏れや火災など緊急事態に備えているほか、大きな地震やガス漏れの際、自動的にガスを遮断するマイコンメーターを設置するなどの十分な安全策が施されています。大きなシリンダー(容器)の印象から、プロパンガスはなんとなく危険なのではと思われる方もいるようですが、平成16年にはプロパンガスの事故は566件で、都市ガスの735件を下回っています。

 災害に強いプロパンガス

プロパンガスは、独立分散型という特徴から、地震などの災害に強いエネルギーといえます。平成7年に起きた阪神・淡路大震災においては、あれほどの大地震だったにも関わらず、プロパンガスのガス漏れ事故はわずか1件のみでした。また兵庫県内で点検が行われたプロパンガス使用世帯は162,000戸ありましたが、完全復旧にかかった日数は12日でした。一方都市ガスは、大規模な供給網であるガス管が都市の地下にはり巡らされているため、至る所でガス漏れの被害が見つかり、完全復旧までには約3カ月を要しました。

また、シリンダーを運んで設置できる場所であればどこにでも供給できるプロパンガスは、阪神・淡路大震災はもちろん、多くの災害現場での炊き出しや、避難所、仮設住宅へのエネルギー供給にも大きな威力を発揮しています。


よりクリーンで安全なエネルギーをめざす電気

気は現在、家庭で最も多く使われているエネルギーです。一般にガスより安全、クリーンといったイメージのある電気ですが、実際はどうなのでしょうか。

発電方法の内訳を見てみると、右のようになっています。29.1%ともっとも割合の多い原子力発電は、他の発電に比べ、少ない資源で大きな電力を生み出すことのできるとても効率の良い発電方法であると同時に、最近社会を賑わせた事故隠し等の安全性の問題、発電後に発生する高レベル放射性廃棄物の処理問題など、課題を抱えているのも事実です。

 

一方、温室効果ガスを発生しないクリーンな発電として注目を集めている風力発電や太陽光発電などの新エネルギーによる発電はまだまだ少ないものの、年々増加の傾向にあります。なかでも太陽光発電の導入量は着実に増加し、2004年度累積で世界の太陽光発電量の約43.6%を誇るまでに普及が進んでいます。また、太陽光発電では、自宅で発電して余った電気を東京電力などに買ってもらえることなども注目を集めています。


これからの電気とガス

これまでは電灯や家電、冷暖房には電気、給湯や調理にはガスと、使用するエネルギーの棲み分けがある程度はっきりしていましたが、これからはすべてのエネルギーを電気、またはガスで賄う、あるいは両者を賢く併用するといった選択ができるようになっていきます。最近CMなどで頻繁に耳にするオール電化という言葉や「エコキュート」や「エコウィル」といったシステムはそうした時代を象徴しています。これらを比較しながら、電気・ガスのこれからを探ってみましょう。

エコキュート
(自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機)

エコウィル
(ガス発電・給湯暖房システム)

システム

ヒートポンプユニットと貯湯タンクからなる。ヒートポンプユニットの空気熱交換器内の低温のCO2が大気の熱によって温められ、電気エネルギーにより圧縮されさらに高温になり、貯湯タンク内の水を温めることでお湯を作り出すシステム。CO2はヒートポンプユニットを循環して繰り返し利用される。

発電ユニットと貯湯ユニットで構成される。都市ガスで発電ユニットのエンジンを動かして発電し、さらにそのときに発生する熱でお湯もつくるガスコージェネレーションシステム*。貯湯ユニットのお湯は給湯、お風呂の追い炊き、床暖房などに効率良く利用される。
*コージェネレーションシステム:1つのエネルギー源から電気と熱など2つ以上の有効なエネルギーを取り出して利用するシステム

価  格

60万円台後半〜90万円台
多くのメーカーから発売されていて、機能/価格とも幅がある

約85万円前後

ランニング
コスト

貯湯式のため、昼間より70%も割安な夜間の電気を利用することで給湯にかかる家族4人の一般的な家庭で、月平均1,000円程度

購入電力を年間40%ほど削減でき、光熱費は30,000円/年の節約になる

省エネ&
エコロジー

高温給湯でも火を使わないため、従来の燃焼式給湯器と比べてCO2排出量は約50%

発電所では活用しない発電時の熱を給湯、暖房などに利用する点で環境にやさしいといえる

 

ガスを一切使わない「オール電化住宅」

+太陽光発電=マイホーム発電

 

家庭で使用するエネルギーをすべて電気で賄い、ガスを一切使用しないオール電化住宅は、ガスの基本料金を支払う必要がない分、光熱費が節約できるのが大きなメリット。エコキュートを導入してしまえば、あとは調理器具をIHクッキングヒーターに換えれるだけで、オール電化の生活をスタートできる。平均的な家庭では、オール電化にすることで電気代は1.3倍になるといわれているので、これまでの電気料金+ガス料金とこれを比べれば、どれだけお得になるかがわかる。

エコウィルに太陽光発電を併用すると、さらに電気料金を削減することができ、もし発電で電力が余れば電力会社に売ることもできる。
また、都市ガスから酸素を取り出し、空気中の酸素と反応させることで発電する燃料電池を使用する「燃料電池コージェネレーションシステム」の開発も進んでいる。このシステムでは家庭で消費されるエネルギーの約32%ほどが削減できるともいわれている。発電に燃焼を伴わないクリーンなエネルギーとしても注目されているが、商品として普及しはじめるのは2008年以降となりそう。

 やっぱり気になる! IHクッキングヒーターってどうなの?

IHでいちばん気になるのはそのパワーだが、数値の上ではガスに匹敵する火力を得られるようになってきている。また、トッププレートが平らなため掃除などの手入れがしやすい点も好評だ。

しかし、トッププレートに調理器具が接地していないと熱が発生しないため、チャーハンなども、ガスと同じように強火の上で鍋を振って調理するのは無理だ。また、ちょっと海苔を火であぶったり、カツオのたたき(あまり自宅で作る人はいないと思うけど)など、火が必要な調理法は一切できない。IH専用の土鍋なども発売されているが、通常の耐熱ガラス鍋や土鍋は使用できない。

とはいえ、やはりIHではその安全性は高く評価される。小さいお子さんや高齢者のやけど、また火災やガス漏れ等のリスクを考えてIHを選択するという人も増えている。

このように比較してみても、電気とガスのどちらが良い、ということは一概にはいえません。オール電化など新しいシステムに注目が集まりがちですが、電気、都市ガス、プロパンガスともそれぞれ違った特徴を持つエネルギーであることが、分かっていただけたと思います。大切なのはそれぞれの家族構成やライフスタイルなどに最も適したエネルギーを選ぶことです。

これから家を購入される方は、オール電化住宅に住みたいとか、エコウィルに興味があるとかいったことがあれば、まずそのことを不動産会社に伝えて住宅のプロの意見やアドバイスに耳を傾けてみると良いでしょう。もちろん、すべてを電気あるいはガスにするよりも併用の方が良いといった選択肢もあります。それぞれのエネルギーの利点をよく理解して、CMの謳い文句や、イメージに惑わされることなく、自分たちとって最適なエネルギーシステムを選んでください。

 

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